OpenCoin Inc.の共同創業者兼CEOのChris Larsen(クリス・ラーセン)インタビュー

CEO クリス・ラーセンChris Larsen(クリス・ラーセン)はOpenCoin,Inc.(のちのRipple Labs)の共同創業者でありCEOです。

かつてはオンライン融資を手がける上場企業E-Loan、そして、ソーシャルレンディング最大手のProsperで共同創業者兼CEOを務めました。

以下、2013年4月にやりとりされた、クリスラーセンへのインタビューです。

 

- Ripple(リップル)とは何ですか?

“お金”と”インターネット”がようやく出会って実を結んだものがRipple(リップル)です。
20年遅くなったけど、現れないよりは良い。

-  なぜ世界にはRipple(リップル)が必要なんですか?

実に簡単な理由です。
“数学に基づく通貨”というのは、お金を滞りなく流通させるのに必要な手段です。
今日の送金方法はもう時代遅れで、電子メールの代わりに電報を使うようなものになっています。
最近カナダに電報を送ったけれど、到着するまで8日かかり、費用は実に高い。
決済、両替、仲介のたびに多くの手数料がかかる。
「全体図」について語ることはできても、現実に起こっていることに打ちのめされる気持ちになります。

- それはどんな「全体図」ですか?

政策的な通貨への信用は揺らぎつつあります。
自由主義者でなくともそのことはわかる。誰の目にも明らかです。
そして、ゴールドは答えではありません。
“数学に基づく通貨”が必要とされるのは、それによって、現在のシステムに対する揺らぎつつある信用を立て直すことができるからです。

- “Ripple”とは通貨ですか?それとも決済システムですか?

その両方です。
決済を容易にするための”分散型通貨”と見ることもできるし、通貨が組み込まれた決済システムとも言えるます。
Bitcoinは通貨の信用問題に焦点をおいていましたが、それゆえに決済の点で問題を抱えることとなりました。
Jed McCaleb(Rippleプロトコルの最初の開発者)が信用問題に関する新しい解決策を考案し、それにより自由な決済システムが生まれました。

- Ripple(リップル)とBitcoin(ビットコイン)の関係は?

Bitcoinは道を示しました。
それまで、暗号通貨は崩壊するものと思われていましたが、そうはなりませんでした。
信用とは人間の有り様です。
人間は金塊や紙切れだけではなく、与えられたシステムをも信用することができます。
Bitcoinはそのことを証明しました。 発想の大転換です。

- しかし、Bitcoin(ビットコイン)では不十分だったのですか?

種々の問題を解決するために、Bitcoinは依然として必要です。
しかし、もうBitcoinを再設計することはできません。
Bitcoinのような仕組みを少なくとももう1つ、あるいは2つ構築する必要があります。
それは、よりシンプルで便利、かつ迅速で、他の通貨と相互運用できるものでなければならなりません。
Jedの解決策は全く天才的です!

- なぜRipple(リップル)はそれほど優れているのか?

通貨が備えなければならないものは3つあります。
“信用”、”流動性”、そして”実用性”です。
金(ゴールド)は信用という意味では優れているけれど、実用的とはとても言いがたい。
重いし、買い物もできません。
既存の通貨はゴールドよりも実用的だけど、信用という点では弱い。
Rippleは画期的な実用性を備えています。
さらに、数学に基づく通貨であるがゆえに、企業や中央銀行は関与できません。

- 「仮想通貨」ではなく「数学に基づく通貨」と呼ぶのはなぜですか?

仮想通貨は目新しいものではありません。
Bitcoin以前にも数多くの『仮想通貨』があったけれど、それらは全て中央集権型の仮想通貨でした。
例えば、ゲームのポイントなどです。
それらは進歩でもなんでもなく、中央銀行よりも信用できません。
『数学に基づく通貨』はゴールドや科学と同様に信用できます。
実のところ、ゴールドも数学に基づく通貨です。
ゴールドの陽子数は79だが、それを保証するものは必要ありません。実際にそうですから。

 - 数学に基づく通貨は既存の通貨にどのように影響しますか?

政策的な通貨がなくなることはないし、絶対に必要です。
我々はドルやユーロを崩壊させようとしているのではありません。
それどころか、通貨はますます多様化していくと思います。
全ての国がBitcoinやRippleを採用するとは考えていません。
しかし、数学に基づくグローバルな通貨への第一歩であることは確かです。

- どのくらいの規模になるのか?

数学に基づく通貨がどれほど大きくなるのか?という質問ならば、答えはシンガポールドルと同規模ということになるでしょう。
Bitcoinの流通高は先週、20億に達しました。
シンガポールドルは4000億。
数学に基づく通貨が、今以上に他通貨と相互運用できるようになり、実用性が高まれば、きっとそうなるのが見えます。

- Ripple(リップル)のようなものが現れるまで、なぜこれほどの時間がかかったのか?

FinTech(金融系のスタートアップ)は実にもどかしく、無駄に思えます。
エンターテイメント分野などに比べてネット上の革新が少ないのはそのためです。
しかし、オープンソースのプロジェクトにより、FinTechへの注目が集まって、取り組みが行われる。
Rippleはプロトコルなので、テクノロジーの純粋な可能性を開くことができます。

- あなたはこれまでに、3つのFinTech企業のCEOを務めてきました。E-Loan、Prosper、そして現在は OpenCoin。この3社のゴールは同じものですか?

どれも、初期インターネット時代の狙いをお金の世界で実現しようとしています。
つまり、中間業者や仲介者を排除し、人々が情報を直接管理できるようにすることです。

- そうした課題にあなたを駆り立てたのはなんですか?

私の父はメカニックでした。
私は父がHousehold Financeから融資を受けたり、二番抵当を入れたりするのを見てきました。
私の目には、金融業は酷いものだと映っていました。
強者が弱者を利用するような…
E-Loan、続いてProsperで考えたのは、そういった『ウォール街モデルを完全に中抜きできないか?』ということです。

- 何がウォール街の問題点ですか? 

不均衡な力関係に尽きる。あちこちで見られることです。
中間業者が不当な力を持ち、資金源を隠し、子供が母親に小遣いをねだるような関係を作り上げる。
そうした金融プロセスは異常です。
自分のお金がウォール街に吸い上げられ、その過程で金融業者が手数料を取っています。
インターネット革命とデータベース技術の変革により、そうしたプロセスを万人にとってより公正なものとする道筋を私は見出しました。

- これまでの実績で最も誇りに思うのは何ですか?

知っているかもしれないけれど、2000年より以前は、自分のクレジットスコアを入手するのは違法でした。
E-Loanはそうした現状に挑んだ会社です。
楽しい経験だったが、我々は連邦議会で証言し、クレジットスコアを開示する権利を勝ち取りました。
これによりProsperの事業が可能となって、最終的には、人々が自分のクレジットスコアを確認し、それによって判断し、直接ローンを組めるようになった。
証券取引委員会が関与してくるまでの2年間は実に上手くいっていました。

- では、次にRipple(リップル)を立ち上げたのは必然だった?

E-LoanとProsperがユーザーに主導権を取り戻すために成し得たであろうこと、Rippleはその6ステップ先にあるものです。
E-Loanはそれを途中まで成し遂げ、既存勢力の牙城に迫りつつあったけれど、最終的には彼らのルールに屈しました。
Rippleシステムの素晴らしさは、それがインターネットの中に存在するということです。
Rippleをシャットダウンしようとすれば、インターネットそのものをシャットダウンしなければなりません。
Rippleが画期的なのはその点です。

-  同時に議論を呼ぶものでもあります。分散化した金融テクノロジーにはそれぞれの意見があります

それはインターネットも同様です。
ネットは多種多様な大勢の人びとに、多岐にわたるサービスを提供してきました。
そのため、その意義が理解されるのに時間がかかったのです。

- 資金調達についてはどうですか?

我々には多くの関心が寄せられています。
ベンチャーキャピタル業界は、その意味に気付き始めています。
幸運にも、有力な人たちから資金援助を得ることができています。

- Ripple(リップル)はテクノロジーに精通した理想主義者にアピールしなければならない。

その通りです。それが我々の目標にとって不可欠で、とてもエキサイティングなことです。

- Rippleはオープンソースであるがゆえに機能が拡大し続ける。今後、どのような機能を見据えているのか?

(最高暗号技術者の)David (Schwartz)は、Ripple内にソーシャルネットワークを構築できる仕組みを考えています。
評価システムも入ってくるだろう。
非常に優秀な人たちがそこに参加すれば、オープンプロトコルにとって大きな力になります。

 

※この記事は、2013年に投稿された下記の記事を訳しています。
Interview with Chris Larsen, co-founder and CEO of OpenCoin Inc. (Ripple)

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